緩和ケアセンターの活動、前立腺がん看護外来での治療法の意志決定支援、治療と仕事の両立支援、ACP(Advance Care Planning)の推進など、組織横断的に活動を行っています。日々の実践のなかで、私が大事にしていることは「その人の力を高める関わり」です。病気によるつらさを抱えている患者さんやご家族の様々な苦痛を和らげ、より豊かな人生を送れるよう関わっていきたいと思っています。
がんを取り巻く社会や人々の価値観は変化しています。それをすばやく捉えて、必要な医療や看護のシステム、変化が求められる事などを組織や社会に発信していくことが課題です。
呼吸器センターの看護責任者として配属されています。週1回肺がん集学治療の多職種カンファレンスがあり、手術療法、化学療法、放射線治療及び緩和ケアを受ける患者さん・ご家族と関わります。
病棟の看護管理と共に、困難事例への直接ケアや調整、病棟看護師からのケース相談を受けています。また、看護師へ看護倫理の教育や研究指導を行い、がん看護の質向上を目指しています。
2018年より、消化器がんと肺がんの方を対象にがん看護外来を開設しました。患者さまやご家族が抱える悩みや課題を一緒に考え、患者さまが将来を見据えた治療選択や療養方法を意思決定でき、病気と折り合いをつけながら自分らしい生活を送れるよう支援することを目指しております。
また、がんの診断・再発時、治療変更時、治療をやめられる時期に看護師が介入できるシステムを作りました。外来看護師の受持ち制やカンファレンスの推進、主治医や関連部署、地域とのスムーズな連携、適切な時期にサポートできる体制構築をチームで検討しております。
がん看護で特に化学療法看護とターミナルケアを専門領域としています。昨年度までは、北里大学東病院で、がん看護の質向上を目指して研究会を立ち上げ、看護の標準化やレベル別の教育、事例検討を行いました。また、緩和ケアチームを担当し、入院患者を対象に多職種と連携して関わりました。これまでは消化器系の活動が主でしたので、現在は、婦人科がんについての経過や治療、ケアについてスタッフや患者さんから学ぶ日々です。CNSと病棟管理者の役割を自分なりに融合させていきたいと考えています。
がんの治療過程や進行に伴いスキントラブルが発生することがあります。スキントラブルは症状・部位・程度によっては日常生活に影響を及ぼすこともあるため、できる限り防ぐ必要があります。
たとえば放射線治療や抗がん剤に伴うスキントラブルは、発生部位や時期について予測可能な場合もあり、日常生活における予防と悪化を防ぐケアが不可欠です。また病状の進行に伴う褥瘡や腫瘍の自壊は、症状コントロールを図り苦痛を最小限にする必要があります。
どのような状況においても、患者さんとご家族のクオリティオブライフを考慮したスキンケアに努めていきたいと思います。
2005年に認定を受け、婦人科病棟に勤務しています。婦人科がん患者さんやご家族が大事にしていることや持っている力を発揮するための支援、治療の意思決定支援や生活の工夫などを一緒に考えています。
また、2017年からは病棟看護管理者となり、共に考えられる後輩育成にも力を入れています。婦人科病棟では婦人科病棟に入院中または退院された方を対象に婦人科がんサロンを週1回(木曜日)に開催し、患者さん同士が交流できる場になっています。
組織横断的に活動するがん看護専門看護師として、がん患者さんやご家族から受ける相談への対応、緩和ケア外来の活動、乳腺チーム医療の推進に取り組んでいます。
日々の関わりで大切にしていることは、患者さんやご家族が持っている力を発揮し自分らしい生き方を見出していけるような援助です。
また、患者を取り巻く医療チームの一員としては、構成員それぞれの専門性が活かされ、チームがより効果的に機能できるような役割の発揮に関して模索しています。
患者さんが、がんサバイバーとしての力を発揮し、自分らしく生活する過程を支援したいと思っています。患者さんは辛い状況でもその体験に意味を見い出したり、自分なりに工夫したりして、心と体の調和を保っており、患者さんがもつ力を感じます。
私は、これまで患者さんとの出会いから、多くのことを学び、成長してきたと感じており、これまでの出会いに感謝しています。患者さんへの看護について迷っている看護師の支援を通して、看護師としての成長の支援と、がん看護の質の向上にも貢献したいと思っています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科のがん専門看護師として、話す、息をする、食べるといった生きるために必要な機能に障害を抱えて生活するがん患者さんと向き合い、病棟スタッフと共に「患者・医療者双方にやさしい看護」をめざしています。
2015年度は、北里大学の看護学部にも在籍し看護学生の実習を中心とした看護基礎教育に携わっています。基礎教育から現任教育へのつながりを知ることで、専門看護師としての活動の視野を広げていけたらと思っています。
消化器内科と総合診療・在宅センター(北里大学東病院)での看護の経験があります。そこでは、「がん告知」や「再発告知」、「がん集学的治療の段階」から「病気と共に生きる形」へ闘病の仕方を変えた患者さんと多く出会いました。
私自身は身体的苦痛緩和はもちろんですが、患者さん・ご家族の力を信じ、意思決定支援やスピリチュアルケア・倫理的視点も基盤に据えながら、希望や思い・信念を理解しどのような場合でも共にある看護を大切にしています。
通院治療室で安全に治療が受けられるように体制を整え、薬剤師やソーシャルワーカーと協働して、個別的な質の高い看護が提供できるよう努力しています。
また、患者さんとの対話を重視して、身体的な症状だけでなくどのような生活を送りたいかという希望や不安をうかがい、できる限り安楽に安心して日常生活が送れるようサポートしています。
乳腺・甲状腺外科、形成外科(皮膚がん)の患者さんと関わり、その人らしさを尊重したケアを目指しています。一緒に働くスタッフとケアについて振り返る機会を設けています。お互いにフィードバックし合うことで、ケアをする意味や成果を感じとれるよう取り組んでいます。
また、院内で開催する「がんサロン」に参加し、クリスマスコンサートでは、患者さんと一緒に演奏しています。患者さんの強みを引き出せるような結びつきを大切にしています。
肺がんの患者さんは入退院を繰り返し、治療を継続される方が多いため、入院されている期間だけではなく、治療を受けながら生活していくための継続的な支援が大切だと考えています。今後は“がん患者のリハビリテーション”に力を注ぎ、がん及びがん治療により生じる症状を予防・回復・維持することで、患者さん一人ひとりの生活の質の向上につながるよう、ご家族の方も含めたサポートを心がけ、笑顔でスタッフと共に活動していきたいと思っています。
主に泌尿器科でのがん看護を実践してきましたが、2019年4月より血液内科病棟へ異動となりました。看護を行う上で私が大切にしていることは、「患者さんのニーズを第一にする」ことです。
治療や療養生活など患者さんが抱える悩みを共に考え、ベストな選択ができるような援助を大切にしています。
白血病をはじめとした、血液疾患の治療を行うがん患者さんやご家族へ、より良いがん看護が提供できるよう役割を果たしたいと思います。
消化器内科病棟に所属しています。
病棟ではスタッフと共に、患者様が抱える様々な苦痛が軽減できるようなケアを大切にしています。
消化器がんの治療は多様化しており、治療や療養の選択に悩む患者様が増えています。
患者様の悩みに寄り添い、がんと折り合いをつけながらその人らしい生活を送れるような支援をしていきたいと考えています。
家族支援専門看護師は、患者さんを含む家族全体を支援する専門看護師です。家族が本来持っているセルフケア機能を最大限発揮でき、入院生活や療養生活が送れるように支援をすることが役割です。
患者さんとご家族に介入するのですが、家族を含めた患者さんとの関係性などに悩みが生じた医療者の相談にも対応しています。
地域の医療福祉従事者とも連携し、家族全体の苦悩が軽減できるように継続した支援をしていきたいと思っています。
感染症看護専門看護師には、感染症の知識と臨床判断、サーベイランス等の技術を用いて個人や集団の感染を予防し、発生した場合にも迅速に対応することが求められています。感染症は誤解されやすく「人に移る」ことを強調し過ぎると、患者さんやご家族は過度に不安になり、混乱したり、孤独感を覚えたりするので、感染症を正しく理解し、尊厳が保たれるような支援にも取り組んでいます。現在は救命救急センターに所属して活動していますが、他の病棟に入院中の患者さんや、退院した患者さんが抱えている感染症の問題にも相談対応することを検討しています。
患者さんが安全・安楽に入院生活が送れ、早期に回復に向かうようICUや病棟の看護師と協働し、ケアを提供しています。
将来のささやかな野望は、急性・重症患者ケアに貢献ができるようなケアエビデンスの確立です。
高齢化に伴い、併存症に心疾患を持った患者様は全科にいらっしゃいます。
そこで、急性期に限らず、急性増悪のリスクのある患者様のケアを通して、安楽で安全な日常生活の援助や意志決定の支援を行いたいと考えています。
平成27年に急性・重症患者看護専門看護師の認定を受けました。現在、一般・消化器外科病棟で管理者として勤務しています。
主にがん患者で手術を受ける患者、終末期の患者、家族に関わっています。患者、家族の持っている力を引き出し、急性期を乗り越えられるよう、またその人らしい生き方ができるような看護を提供できるよう日々スタッフと頑張っています。
小児総合外来に所属し、幼少期に病気を発症した慢性疾患を抱える子どもたちが思春期を迎え成人として自立していくための支援をしています。発症時から親と子の面談を重ね病気の理解やセルフケアの獲得、病気を抱えながらも健常児と共に成長発達していけるよう支援していきます。また、病気の親をもつ子どもたちの看護ケアについて、院内の看護師や患者さん・ご家族から相談を受けています。そこでは、健康な子どもの発達年齢に合わせ関わり方やインフォームドコンセントについて、共に考えながら活動しています。病気、健康に関わらず、すべての子どもの権利を擁護し、子どもたちが最善の利益を得られるように活動していきたいと考えています。
小児病棟やPICU(子どもの集中治療室)に入院する患者さんやご家族がより良い療養ができるよう、保育士、医師、理学療法士、臨床工学技士、栄養士などさまざまな職種と協力して療養環境づくりをしています。医療職から相談を受けたり、直接患者さんやご家族とお会いして療養上の調整を行ったりします。入院生活だけでなく、患者さんや患者さんのきょうだい、ご家族の将来を見すえたかかわりを心がけています。
少子高齢化という社会背景や全国的な小児科の規模縮小・廃止等の医療環境の変化の中、子どもの各発達段階における子どもと家族の意志決定を重視した看護実践に努めています。
また、小児看護の質の向上に根差した人材育成にも力を注ぎたいと考えています。
小児関連病棟で年々増え続ける高度な呼吸ケアに対して、横断的に活動し、エビデンスに基づいた安全かつ効果的な呼吸ケアをコーディネートしています。
たとえ、集中治療を要する段階であっても、常に成長発達を踏まえたケアと子どもにとっての最善の利益を心がけ、最大限に子どもの潜在能力が発揮できるよう多職種協働で支援しています。また、退院後を見越した支援内容も提供しています。
急性期や集中治療領域を要する子どものご家族に対しては、直接お会いしてお気持ちや要望を聴きながら、ご家族のセルフケア機能が発揮できるような環境を調整していきます。
内科・外科を問わず、病気をもつ子どもや家族へ発達や病状、治療のタイミングに合わせた支援を行っています。
小児の入院前面談に取り組み、外来と病棟の看護師間だけでなく、医師や栄養士など多職種との連携を図り、患児を中心に継続支援を行えるように役割を担っています。
今後は、外来-病棟間の連携を強化する役割を担い、病気をもつ子どもや家族の笑顔が増えるような支援を行っていきたいと考えています。
2003年に認定を受けました。2005年から精神科外来に所属して、専任で病棟・外来からのコンサルテーションを受ける活動を行っています。精神疾患を抱えて、さらに体の病気を抱える方、体の病気のつらさやそれに伴って、これまでの生活・生き方などへの支障・不安などストレスを抱える方、体の病気で精神面へ影響が現れる方など、様々な患者さんがいらっしゃいます。様々な要因が複雑にからみあっている事も少なくありません。これらの要因をアセスメントして、患者さん・ご家族と面談を行ったり、関わる医療者の相談を受けたりするなどの、コンサルテーション活動を行っています。
患者さんが心の悩みなど気軽に相談できるように、声をかけさせていただいています。
日々のストレスが慢性疼痛に影響している方も多く、気持ちを表現できる場所を提供することも外来に所属する看護師の重要な役割と感じています。
2019年に認定を受けたばかりでスペシャリストとして新米ですが、心の負担が軽くなるような声かけをしていきたいと考えています。
周産母子成育医療センターで、妊娠期から育児期までの母子への支援、特に育児困難へのリスクに対する介入に焦点を当てています。現所属の児在宅支援部門は、医療的ケアを必要とする重症心身障害児とその家族のレスパイトを目的に、ディケアならびにショートステイを受け入れています。
地域での多様な状況のなかで、個々の価値観を大切にしながらその人らしい育児ができ、個性を大切に児が育まれていくことを目指しています。
周産母子成育医療センターNICU・GCUで、女性と母子に対する看護、主にNICUに入院する母子と家族を支援しています。
産科・NICU・PICU配属のスペシャリストと協働し、産科からNICU・PICU・小児病棟へとセンター内を横断する母子とその家族の課題を解決できるように調整を行っています。
「女性」が「母」となるプロセスの中で、母子の持つ課題を共に解決できるような関わりを大切にしています。
母性専門看護師は、様々な解決困難な課題を抱えた女性と母子に、より専門的な視点で看護を行います。
女性のライフサイクルすべてに関わりますが、周産期の場面では、心身に病気を抱えている、あるいは育児環境に困難を抱える女性がbetterな選択をできるような支援を心がけております。
母乳育児を専門としております。母乳育児の継続から卒乳までの様々な問題について対応しています。
老いや病を抱える高齢者の方々が、入院治療に伴う心身の機能低下を最小限にできるよう症状マネジメントや療養環境を整えること、退院後の生活を見据えて看護スタッフや多職種と連携してケアを行っています。
人生の最終段階を生きる高齢者がその人らしい最期を意思決定できるように、その人の価値観や尊厳を大切に支援していきたいと思っています。
高齢者は急性期病院に入院し、治療に伴う苦痛や不動によるせん妄の遷延化、筋力低下により容易にADLレベルや認知機能が低下してしまいます。
特定機能病院の中で、自分がどのように役割発揮できるのか模索している状況ですが、地域包括ケアシステムの一員として、地域に戻る高齢患者さんの退院後の生活の質が少しでも向上する支援を行いたいと考えています。高齢者の退院後の生活に目を向け、これまでの経験から培った高齢者の強みが発揮できるような支援をしたいと考えています。
住み慣れた地域でその人らしい暮らしを続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を観点に支援しています。
日々の看護では、その人が疾病や障がいを抱えて地域で暮らしていくためには、「何が問題になるのか」ではなく、「何を大切に生活しているのか」という視点からスタートすることを大切にしています。
また、「環境」は、その人自らの健康を維持する力に大きく影響すると考えています。地域社会の動向を視野に入れ、院内外の他職種と協働し、自身で取り組める「環境づくり」を模索し活動していきたいと思っています。
近年、日本各地が台風や地震などの自然災害に見舞われています。
北里大学病院は災害拠点病院であり、相模原および県央医療圏をとりまとめる中心的な病院として位置づけられています。そして災害対応は限られた部署・人員だけで行うのではなく、病院職員が一丸となって行わなくてはなりません。
有事の際に災害拠点病院としての役割を果たせるよう、部署や職種を越えた連携体制を構築していこうと思います。