第18回 欧州臓器移植学会議での発表報告

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学会Poster

ESOT

18th Congress of the European Society for Organ Transplantation (第18回 欧州臓器移植学会議)はESOT 2017の略称で呼ばれ、スペイン バルセロナにおいて2017年9月24 - 27日に開催されました。

ESOTは2年ごとにヨーロッパで開催される国際会議であり、世界各国からさまざまな職種が集まります。私が発表したPoster Sessionでは531もの演題が集まる規模の大きい学術会議です。
メイン会場となるAuditoriumは新作iPhoneの発表会のようでした。

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Auditorium(メイン会場)

E-Poster 発表

ESOTではE-Poster形式が採用されており、学会会場にPosterを持参する必要はなく携帯電話やタブレットで専用アプリをダウンロードし、各自が発表資料を確認できるようになっています。
興味のある研究を見つけたらAppointmentをとりPoster Loungeと呼ばれるブースで対象者に発表が行われます。(運用時トラブルには、App helpdeskが常設されており私も活用しました)

私は「Effectiveness of Questionnaires on Extracting Intension of Presenting Options for Organ Donation in Japan(日本における臓器提供の選択肢提示の意思抽出におけるアンケートの有効性)」と題して、救急搬送の直後に書面で家族の臓器提供に関わる考えを確認することの効果や、家族の考え方は治療の過程や患者の意思を推定する過程に伴い変化するため、継続的な支援を考慮する必要があることについて研究報告を行いました。私の研究にはスウェーデンやオーストラリアなどの研究者からAppointmentをいただきました。

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発表Poster

他国の発表からは、最新で画期的な治療法等の報告がある一方、臓器不足への取り組み、提供時の調整や 倫理的課題など、看護介入も含めて国内で課題とされている種々の報告と違いはありませんでした。看護分野は同様の課題を抱えており、臨床から発信される研究の重要性は、各国でニーズがあるのではという印象を持ちました。

国際学会の特徴

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Exhibition area

Exhibition areaと呼ばれる企業ブースがとても充実しています。企業の商品展示に加え、他の学会のインフォメーションなども行われています。1日2回ほどCoffee breakの時間が設けられており、飲み物やパンなどが用意されます。

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Networking Event

学会2日目にはNetworking Eventとしてお酒や生ハムなどがふるまわれて交流の機会がありました。海の見える広い会場でリラックスした雰囲気の中で会話を楽しんでいました。参加者の名札をみるとNurseはまだまだ少ないようです。

おわりに

私は当院で看護師を始めて7年目になります。国際的な取り組みを目標の1つにしてきましたが、このような経験が出来たことにとても感謝しています。

医療および看護の発展のために、日々の看護のみならず臨床現場から生まれる論文に意義を持ち共に研究を行うチームとの仕事にやりがいを感じています。

救命救急・災害医療センター 救命救急病棟
椿 美智博

2017.12.06

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