血液浄化センターの概要

沿革

1960年代には、尿毒症に陥ると生命の維持は不可能でした。 北里大学病院および北里大学病院腎センターが開設された1972年は、 腎疾患診療が大きな変貌を遂げる黎明期であり、血液透析療法、 腹膜透析療法、腎移植が日本の各地で開始された時期にあたります。

本院および当センターは、開院当初から患者中心の医療を掲げて、日本の医療に新風を吹き込むべく活動を続けてまいりました。 この30年間で血液浄化療法は大きな進歩を遂げましたが、 当センターは腎不全の病態の解明に貢献すると共に、透析機器、人工腎臓、 透析療法やこれに必要な薬剤の開発にも大きな足跡を残してまいりました。 腹膜透析療法は間欠的腹膜透析療法から持続的携行腹膜透析へと変貌を遂げ、 安定した維持透析療法となりました。腎移植も新しい免疫抑制剤の開発と治療の進歩により、 大きな合併症を起こさずに移植腎が生着するようになりました。 血液透析療法、腹膜透析療法、腎移植が、腎不全の治療法として安定した地位を築いた今日では、 この3つの治療法の利点を最大限に生かして透析期腎不全患者の生命の質を最良のものとする治療を実施し、その普及を図ってきました。

一方、血液浄化療法は、腎不全治療以外の分野でも大きな進歩を遂げました。肝不全や病的な抗体が関与する疾患、即ち全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMO)、抗糸球体基底膜抗体腎炎などに対する血漿交換療法や血漿吸着療法、潰瘍性大腸炎、クローン病に対する血球成分除去療法などが日常的におこなわれるようになっています。この状況を鑑み、2007年4月から腎センターから血液浄化センターに改称し、末期腎不全治療のみならず、種々の全身性疾患の治療と研究に貢献してまいります。 /p>

役割

北里大学病院は、神奈川県北部および東京都南部地域の腎疾患診療の中核的役割を担っております。すなわち、皆様の健康生活を支えている家庭医の先生や地域の病院の先生から紹介されてくる治療困難な患者さまに対して、高度な先進医療を提供することが主要な役割となっております。

急性腎不全に対しては、命を救うだけでなく、失われた腎機能を可能な限り回復させて、 通常の社会生活への復帰を目標に診療を行います。

維持透析療法を行っている慢性腎不全の皆様には、地域の各透析施設に最新の医療情報を提供することで、 この地域の診療の質の向上に努めています。また、維持透析療法中に合併症が起こった場合には、 当院に転院していただいて各専門医の高度な専門的治療を受けていただくことができます。

私共は、地域の診療所、病院の先生方と連携して、この地域で高度な腎疾患診療を 展開することを役割と考えています。

北里大学病院血液浄化センター

〒252-0374 
神奈川県相模原市南区北里1-15-1
TEL 042-778-8111㈹ FAX 042-778-9371