感染対策チーム
Infection control team

感染対策チーム
(Infection control team;ICT)

現在、世界規模で抗菌薬等が効かなくなる薬剤耐性菌の増加が問題となっており、各国で薬剤耐性(AMR)対策が策定されています。病院内においても薬剤耐性菌の問題は重要課題であり、感染対策チーム(Infection Control Team:ICT)および抗菌薬適性使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)が組織され、微生物検査室より臨床検査技師が参画しています。
ICTおよびASTは医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師等の多職種で構成され、それぞれの専門知識を活かし、主に以下の活動を行っています。 

  1. 薬剤耐性菌検出患者や血液培養陽性患者の治療計画について検討
  2. 感染症患者の治療計画についてのコンサルテーション
  3. 広域抗菌薬の長期使用について、適正であるか検討
  4. 院内感染対策の一環として、病棟や各診療科等の環境ラウンド
  5. アウトブレイク時の現場対応
  6. リンクスタッフへの教育

その中で臨床検査技師の役割は、

  1. 院内感染対策上、重要な微生物を検出した場合の迅速報告
  2. 検出微生物や薬剤耐性菌についての迅速で正確な情報提供
  3. 薬剤耐性菌検出患者および血液培養陽性患者リスト作成
  4. 病棟の環境培養検査(院内感染が疑われる場合やICT等で必要と判断された場合)
  5. 菌種別薬剤感受性率(アンチバイオグラム)の作成
  6. 検体採取方法や薬剤耐性菌についてのリンクスタッフへの教育

近年、様々な薬剤耐性菌の増加やその耐性機構の複雑化により、感染対策も検出微生物に応じた対策が必要となっています。そのためICT・ASTに参画する臨床検査技師は微生物検査の知識のみでなく、感染管理や抗菌薬についての知識も必要であるため、感染制御認定臨床微生物検査技師(Infection control microbiological technologist:ICMT)や認定臨床微生物検査技師の専門資格を持つ臨床検査技師が参画しています。
迅速で正確な検出微生物情報(どんな特徴をもつ微生物であるか?毒素等産生しているか?感染経路は?など)をチーム医療の現場へ提供することがICT・ASTへ参画する臨床検査技師の最重要の役割であるため、学会や研修会へ参加し、新しい検査方法や薬剤耐性菌についての情報収集を積極的に行っています。

先頭へ戻る