遺伝子・染色体検査
Gene chromosome

遺伝子検査

人の遺伝情報はDNA(デオキシリボ核酸:Deoxyribo Nucleic Acid)にあります。そのDNAには塩基と呼ばれる化合物が並んでいて、遺伝子検査ではその塩基の配列を調べています。

人の病気は遺伝子の特徴(遺伝要因)と環境要因との相互影響により起こると考えられていますが、その中でも遺伝子の変化が発病に対し大きな影響がある遺伝子疾患を中心に検査を行っています。

2020年2月から迅速なインフラ整備により新型コロナウイルス「SARS-CoV-2」の遺伝子検査の運用を開始しました。現在では臨床検査部全体での支援協力を強化し、総勢8名の「Team-nCoV」を結成し1日40~80件の検査を行っています。精密な作業を要する遺伝子検査ですが、臨床ニーズに対応できる検査室を目指し日々頑張っています。

主な検査項目

遺伝子解析
造血器腫瘍遺伝子検査、レーベル病遺伝子解析、感染症遺伝子検査

遺伝子解析( PCRダイレクトシーケンス法)

DNAは細胞中に存在します。したがって体のどの細胞からもDNAを得ることができるのですが、一般的には血液中の細胞からDNAを抽出します。このDNAを使って、調べたい遺伝子領域をPCR法(ある一定の長さのDNA領域を何百万倍に増幅する方法)によって増幅します。この増幅した産物をDye Terminator法で蛍光標識し、自動塩基配列決定装置(シーケンサー)を用いて遺伝子中の塩基A,G,C,Tの並び順を調べ、健康なヒトの並び順と比較し、病気を引き起こす変化があるのかどうかを調べます。

A=緑色 G=黒色 C=青色 T=赤色 と、それぞれ違う色で標識しています。
正常型の波形では、・・・・TCGCA・・・・ となっていますが.....
異常型の波形では、黒色波形のGではなく緑色波形のAに変異が生じていることがわかります。
よって、塩基配列は・・・・TCACA・・・・となっています。
この変異により発病に対し大きな影響をきたす場合病気を引き起こす原因となります。

染色体検査

ヒトには、1~22番の常染色体が各2本ずつと性染色体が2本で計23対46本の染色体が存在します。染色体の中には2~3万個の遺伝子が組み込まれていて、ヒトの体を構成する細胞の設計図となります。
染色体検査では、この染色体の数や構造を調べています。

染色体検査は他の臨床検査よりも疾患の診断に直結する場合が多いため、細心の注意を持って検査を行っています。

主な検査項目

G分染法
出生前羊水染色体検査、先天性疾患染色体検査

G分染法とは、羊水や末梢血をそれぞれ適切な条件で培養し、細胞を分裂増殖させたのち標本を作製します。その後G分染を施し、各々の染色体上に縞模様(バンド)を出現させ、顕微鏡下で観察し分析する検査です。

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