北里大学病院・東病院 ME部

Kitasato University Hospital Department of Medical Engineering
Kitasato University East Hospital Department of Medical Engineering

HOME > JaSECT教育セミナー参加報告

2017年度JaSECT教育セミナー参加報告

2017年5月13・14日、愛知県名古屋にて体外循環医学会主催の教育セミナーに参加して参りました。
このセミナーは体外循環技術認定士の受験・更新に必要であり、受験資格として3年間の教育セミナー、実技セミナー、また人工臓器医学会主催の教育セミナーへの受講が必要となります。基礎医学・工学から実際の術式での操作、診断と治療法、患者管理、安全管理等について講義形式で配布テキストをもとに2日間受講します。会場は毎年変わり、地域ごとに3年で持ち回りとなります。
もちろん試験そのものにだけではなく普段の業務にも大変有益な内容であるため、受験資格取得のためだけでなく自身の知識向上の大変ためにもなるものでした。
3年間の受講が必要となりますが、今回私は初めての参加となりました。

基礎工学では「近赤外分光法での脳酸素モニタ」というもので、実際に毎症例使用されている機器の工学的な部分の講義でした。今まで大まかな原理は学生のときの学んだものがありましたが、機器の開発に携わっている方から説明をしていただき詳しい原理や数値を求める公式、今後の展望もでも盛り込まれた内容でした。

基礎医学では「心血管系と微小循環の基本生理と各臓器の循環」というものでした。血管の種類からそれぞれの性質、循環にはどんな役割がありいかに大切であるかを学びました。特に印象的だったのは「構成する細胞の一つ一つに必要な栄養・酸素・老廃物・熱を運搬する必要がある」との言葉で、今までの私の体外循環に対する考え方にはまだ足りない部分があるのだと実感しました。

診断と治療法では「心エコー検査と心臓CTの役割」として当院でも行われている、TAVI(transcatheter aortic valve implantation)での評価方法よその重要性についての内容でした。私も実際に症例に就き、カンファレンスに参加したことはありましたがDrがどんなところに注意し、評価、治療の選択をしているのかを知ることができました。

患者管理では「麻酔管理」についての内容でありました。麻酔で使用される薬剤がどんな効果をもたらし、人体がどんな反応を示すのか、麻酔薬の特徴や効果について学びました。また麻酔薬以外にも虚血に対する血管・組織の反応についての内容は大変興味深いものでした。

体外循環の実際では「低体温と大血管症例」においての管理、術式ごとの還流についてのないようでした。講義では実施の症例の動画も用意されており術野の映像を視聴しながらのもので大変イメージをしやすかったように思います。

安全管理では「体外循環における安全装置と安全管理」についてそれぞれの安全装置がどんな目的で使用を推奨され、どんな原理でモニタリングしているのかという講義でした。安全装置は人が携わる上では完全に無くすことの出来ないヒューマンエラーから患者さんを守るために必要なものです。そのため装置を正しく使用し、正しく作動するように日々心がけることが大切だと感じました。

他にも今回多くの知識を得ることが出来たように思います。
今後業務の中で人工心肺業務に携わるうえで、今回得た知識が生かせるような操作、管理ができるようこれからも努力を続けていきたいと思います。
教育セミナー.jpg教育セミナー2.jpg