北里大学病院・東病院 ME部

Kitasato University Hospital Department of Medical Engineering
Kitasato University East Hospital Department of Medical Engineering

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バルーン大動脈弁拡張術(BAV:Balloon Aortic Valvuloplasty)

IVRセンターでは、大動脈弁狭窄に対して、カテーテル治療にBAVを施行しております。近年、TAVIが脚光を浴びておりますが、すべての方が対象になるとは限りません。例えば、救命救急・災害医療センターには、ASによる急性心不全で搬送される高齢患者や感染症患者などTAVIや外科的手術の早急な対応が難しい場合に、急性期を乗り越えるためのブリッジ治療としてBAVを施行しております。
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<ME業務>
1、 冠状動脈造影
BAV治療前には、冠動脈造影を行い狭窄の有無を確認します。有意狭窄があれば、治療デバイスの準備を行います。
2、 弁口面積算出
治療前後の弁口面積を把握するために、サーモダイリューションカテーテルによる圧力測定、熱希釈法による心拍出量測定を行います。
3、 体外式ペースメーカ管理
BAV施行前に、体外式ペースメーカカテーテルを右心室に留置します。バルーン拡張前にRapid Pacing 180ppmにてペーシングを行い、短時間のLow Output状態の中、バルーンを拡張します。
4、 心腔内エコー準備
右心房、もしくは右心室内に心腔内エコーを留置し、大動脈弁の動きを観察します。
5、 バイタルサインの確認
バルーン拡張に伴う冠動脈閉塞、心タンポナーデ、Rapid Pacingによる不整脈誘発、急性大動脈解離、急性大動脈閉鎖不全など多くの合併症が考えられます。12誘導心電図、観血式動脈圧の確認は重要です。
6、 記録作成
バルーンの種類、バルーンサイズの記載、治療経過に合わせた記録も作成しています。
7、 人工呼吸器管理
救命救急センターに搬送される患者の中には、挿管されている患者もいます。人工呼吸器管理もME管理で管理を行っております。
8、 補助循環装置管理
IABP導入されているケースや治療前にIABPを導入するケースもあります。治療対象患者が、小柄な方や背中が曲がった患者が多いため、事前にIAB選択は重要です。